タリスカー蒸留所は、スカイ島唯一の蒸留所として1830年に創業されました。
タリスカーの滑らかでピーティな仕込み水は、蒸留所に隣接するホークヒル（Cnoc nan Speirag）から湧き出る14の地下湧水から引いています。
タリスカーは創立当初より同じ湧水からの水を使用してきました。
ホークヒルは、その名が示すようにハヤブサなどの猛禽類の生息地となっています。
ブラックアイルで収穫された大麦は、そのまま地元でタリスカーの規格通りに制麦され、陸路によって蒸留所へ輸送されます。
1時間当り20000ガロンの冷却水が流れの急なカーボスト川から引かれ、タリスカーの伝統的な特徴である5基の木製ワームタブ（1997〜8年に同一型で新調しました）を満たしています。
これらのワームタブはスチルハウスの外に位置しており、蒸留された蒸気が低気温によって急激に凝固・浄化され、蒸留酒となります。
タリスカーのスチルは合計5基というとても変則的な編成です。
このうち、2基のウォッシュスチルは、1960年の火災後に慎重に復元されたもの。
メインネックからのびているパイプはU字型をしており、蒸留で発生した蒸気をワームタブの外に出る前に捕らえ、第2の小さな銅製パイプで液体をウォッシュスチルに戻して再度蒸留にまわす仕組みとなっています。
この設立当初からの技法に忠実に従って蒸留を行うことにより、豊満で深みのあるタリスカーの特徴が最初に得られると考えられています。
蒸留所長によると、2基のウォッシュスチルから溜出されたローワインは、他の蒸留所で造られているどれよりも澄んでいるそうです。
タリスカーには、引くものも足すものも何もなく、蒸留所のツアー前に初めてタリスカーを試すビジターが確認するのは、麦芽本来の味わいなのです。
最終段階の蒸留酒を引き出してオーク樽に移し、古くからある倉庫の中に保管します。
樽の中で10年から25年を費やしますが、この特徴的なウイスキーが熟成年数を終えるまで、状態を慎重に管理することで、独特の海を思わせるキャラクターを十分に引き出します。
ウイスキーはその後、岩が多く荒天に襲われる島や、そこに住む力強く忠実な人々の精神すべてを体現していきます。
スカイ島で唯一の蒸留所タリスカーは、10年で十分過ぎるぐらいの様々なキャラクターを持つウイスキーに仕上がります。
タリスカー 10年 香り：ほのかな海潮、 生ガキそして柑橘系の甘みを感じさせる、力強い ピートのスモーキーな香り。
味わい：煙るようなスモーキーさと力強いモルトの香味を伴う、豊かなド ライフルーツの甘み。
温かく、情熱的。
のどの奥に黒胡椒の香りを感じる。
フィニッシュ：食欲をそそる甘みを伴った、広大な、長く温かい黒胡椒を伴う フィニッシュ。
色合い：輝くようなゴールド アルコール度数：45.8%